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例会・校正者勉強会・一日勉強会・校正メモの内容をまとめた会報版を掲載します。

例会より          

 

6月例会学習 

1著作権セミナー 報告(高橋さん

 518日にズームで参加しました。音訳者に関わる著作権法第37条について、「知識チェック問題」を皆さんと一緒に解きながら、製作活動とのかかわりを考えてみました。セミナーの資料は校正室にあります。ご興味のある方はご自由にご覧ください。

 

2全国音訳ボランティアネットワーク総会 報告 (涌澤さん)

 今回、6月12日東京都市ヶ谷に於いて開催されました。

「全国音訳ボランティアネットワーク 第10回総会」に参加させていただきました。2年に1回開催される総会で、通常の事業内容の報告のほか、今回のテーマは「音訳を次世代につなげるために」

広沢里枝子(ひろさわ りえこ)さん、磯野正典(いその まさふみ)さんがゲストとして登壇されお話を頂戴しました。そのお二人のお話です。

広沢里枝子さん

演題「聞いてください!盲目の先輩たちが伝え遺してくれた瞽女唄を~お話と演奏」

長野県在住のラジオパーソナリティ。

中途失明の方で「名古屋ライトハウス点字図書館(現在、名古屋ライトハウス盲人情報文化センター)」を経て現在に至り、担当ラジオ番組は34年目に至るとのこと。そんな中で、音声資料を使いたい、全ての方に利用範囲の拡大を!と活動するなかで、人材の確保、専門性のレベルアップを!をお話ししておられました。またご本人は、越後瞽女唄の演奏者でもあり、当日数曲を解説を交え演奏してくださいました。

「どうか自分を諦めないで。諦めるのは自分への差別」という、強い信念のもと活動なさっています。

 磯野正典さん

演題「やばいよ やばいよ 音訳」~情報環境論の視点から見た音訳の今後~

現在、名古屋大学大学院経済学研究科招聘教員 ムハマディア大学客員教授

民放アナウンサーなどを経て現職。

母親が音訳ボランティアであった事から音訳を始めたとの事

AISNSなど、ことに今後の著作権と音訳との兼ね合いについてのお話が中心でした。

SNS時代の音訳について

AI 人工音声の可能性

IT社会と人同士のコミュニケーションについてどう構築していくか               

 AIが肩代わりしてゆくことが増えていく事が大いに予想される中、著作者、著作権、         

音訳者の関わりが重要視される。(音訳者の質が問われる、との耳の痛いお話しも多々ありました)

「情報機器は、人間社会を支える補助的役割。互いに理解し思い遣るのが人間世界。

ITAIと人が融合しノーマライゼーションの成立。

高度情報化社会こそ音訳ボランティアの活動の場。

(知識など)視野をひろげてかかること。                          

情報は常に劇的に動く。その中で生き延びる者は適応する者。」

本当に考えさせられることでした。                           

 その他に…。

順番が前後致しましたが、会長・藤田晶子さんの、会の冒頭に挨拶頂いたお話。

ボランティア活動の有償化、ことに各団体の運営資金のお話しの中で、音訳ボランティアの地位向上の意味を含め、もっと(行政などに)有償化を求めるべき、ボランティアの意識改革が必要であるとのお話。これもまた深く考えさせられる事でした。

団体の性格、地域性などなど、本当に改めて勉強させていただきました。

参加させて頂き、本当にありがとうございました。

3「利用者さんインタビュー」

会員の皆さんから、利用者さんの声をお聞きしたいとの要望を受け、会員の小笠原由香さんからご紹介いただいた「渡邊茂樹さん」にインタビューさせていただき、その録画ビデオを視聴しました。以下、渡邊さんのお話の概要です。青字はインタビュアー、みなさんの感想

 音訳図書を聞くことは趣味で、1日3時間ぐらい主に時代物(特に江戸の庶民の暮らし)を聞くことが多いです。大きいプレクストーク(デジタル録音図書再生機)にサピエ図書館からダウンロードして、1~2週間に1回、5~10冊を借りています。(多いですね~!)

借りる本は、新着案内や、人気本の紹介を順に聞いていき、これはと思ったものを、目次と最初の部分を試し聞きしてから借ります。(目次って大事!)再生スピードは並速で、読みが遅い場合は少しスピードを速くします。聞いていて口中音が多いときは、機械を離して聞くなどしています。(気を付けます)また肺活量が足りないのかなと思うが、語尾まではっきり聞こえない読みや、早すぎる読みも気になります。好みの声や、スピードがあって、場面を想像しながら聞いています。写真や地図の説明がある本はあまり出会いませんが、色の説明では、自分の記憶にある色もあるし、先天的に見えない人も、色の説明があることを不快に思ったりしません。地図の説明は東西南北より、進行方向にむかって右左、時計の何時の方向などの方がわかりやすいです。

音声訳は「淡々と読むようになった」と聞いたことがありますが、それなりの感情が入っている方が良いと思います。聞こえてくる声を、登場人物に合わせて脳内で変換させて聞くので、女性の音訳者が男性の台詞を読んでも、自分の中では「こんな声かな」と変換しているので問題ありません。(脳内再生!?一同びっくり)早聞きをする人は、そういった場面や、声を想像したりしないのかもしれません。内容だけわかればいいとのことでした。

心を込めて読んでくださっているのだから、丁寧に聞いています(嬉しいです!)

 渡邊さんからは、最後に感謝の言葉をいただきました。

今回は渡邊さんのお好きなタイプの音訳者、音訳本を中心にお話を伺いました。利用者の方がどのように本を手にされているか、実は、詳しく知る機会がなかったように思います。

渡邊さんのお話しに、またやる気スイッチが入ったのではないでしょうか。

●補足 写真や図について「選書委員会」でお聞きした利用者さんのはなしを高橋さんから

うかがいました。

・写真やイラストの説明を省略されると残念に思います。説明は受け取る人によって変わり、聴いてそれぞれが想像するのでそれでいいと思います。ないよりはありがたいので取り組んで欲しいです。

・中途失明の方。説明文を聴いて、自分の中にある記憶で解決しています。見えている人とのギャップがあるので説明があったほうがいいです。

・漫画は見ることができませんが、楽しいものでしょうから聴いてみたいです。

・長編小説を点字で読むのは、手が疲れて大変なので音声を利用しています。

・自分が子供のころ、児童書が少なかったので同じ本を何度も読みました。子供の利用者がいるなら、是非、児童書にも取り組んでいただきたいです。

 

校正者勉強会より

6月9日() 校正者勉強会 「校正してみよう(レシピ本)」

 材料や作り方、食材や作り方のポイントの解説、イラストに写真、吹き出し、・・・。レシピ本の内容は盛りだくさんで,レイアウトも多様です。どんな順番でどう読み、説明をすれば利用者さんに分かりやすく著者の意図を伝えられるのか悩ましい限りですが、校正者に届く原本には既に①②③・・・と読む順番が付いています。私たち校正者は、そのレシピ本をセンターの指示通りの順番に読んでいるか確認しながら校正しています。

でも、もしセンターの指示がなかったら・・・・・これは、ここで読むのかな?こっちが先かな?これは、読まなくてもいいのでは?などと疑問に思ったり、迷ったりするかもしれません。著者の意図を利用者さんに分かりやすく伝えるための校正について学習しました。

はじめに、「そのままおいしい野菜の食べ方」の音源を聞いて、各個人の気づきをグループ内で話し合いました。                    勉強会資料12

その後、全体で資料を見ながら阿部さんに解説をしてもらい、最後により良いと思われる読みを聞きました。                      勉強会資料3

   写真の読み順と説明の読み方について

処理にはいろいろあるが、著者の意図が伝わるように読みたい。

写真~キャプション~説明 と読み進めるが、写真が沢山ある場合の「説明」という文言の読みについてセンター・音訳者・校正者が共通理解していれば「説明」の読みを省くこともある。

キャプションと音訳者の説明を区別するために説明文の文体を「です・ます」にすることもある。

わざわざ読まなくてもよい写真について(資料19左下写真)(校正者は)読んでいたらそのままでもいいし、読んでいなくても指摘する必要は無い。

   図やチャートの読み方について

原本では、ミニトマトもチャートに含まれているのではないか。

8右下に描かれているのは、グラフ?図?図です。

料理の写真は、1枚ずつ読みたい。

   全体の読み順について

ページを超えて順番を変えて読んでもよい。(センター確認済み)

タグ「通年・野菜」は、どこで読むか。→はじめに1回だけ読む。

(レベル1)通年・野菜(レベル2)トマト ・・・・・(レベル2)じゃがいも ・・・・・

(レベル1)通年・果物(レベル2)バナナ ・・・・・

   校正票について     

読みの順番を指摘する場合の校正票の書き方→音訳者が読んでいた場所とより良い読みの場所の両方を指摘すると修正確認がしやすい。     勉強会資料4

 ※資料はホームページからご覧いただけます。

     6月校正者勉強会資料

 

次回の勉強会は、714日(月)です。

「校正してみよう(レシピ本)」の2回目。「イタリアンチキン」のレシピです。

校正票資料はこちら!

一日勉強会       

6月の一日勉強会はアクセントの聞き取りを中心に行いました。

 間違えやすいアクセントで読んだものの音声を流し、アクセント記号で記入しました。

次に、辞書を引いて正しいアクセントを記入。そのあとで正しいアクセントで読まれた音声を聞きました。 

通えなくなった カヨウ0 カヨエル0 カヨエナイ0 カヨエナクナッタ6

言えなかった  ユー0  イエル0  イエナイ0  イエナカッタ3

しちゃうつもりです=してしまうつもりです

        スル0  シテシマウ0 シチャウ0

 変化の仕方も確認しました。

さらに、同じ言葉なのに副詞的用法と名詞ではアクセントが異なるものも確認しました。

校正する上で大切なことは誤読に気づけるかです。アクセントにばかり注意が向かないようにしたいものです。ただし、アクセントによって意味が違って聞こえるものは是非指摘しましょう。

 ☆次回7月1日の予告

 レクディアのいろはと裏技、レクディアとパソコンのお困りごとなどです。

   担当は吉津雅子さんです

校正メモ


 

校正者勉強会より

〈読み方〉

 防衛大学校長・・・ぼうえいだいがっこーちょー(防衛大学はない。防衛大学校・・ぼーえいだいがっこー)

 夭折・・・よーせつ (夭逝 よーせー)

 かつての「民」が「主」ではなかった時代の・・たみ(みん)が あるじ(しゅ)  

または みん(たみ)が しゅ(あるじ)(かつての とあるので民主主義 ではない。を生かしたい

〈アクセント〉

 五点・三点・・・ごてん・さんてん 2-3(得点数) 

個数(五個・三個)の場合は ごてん・さんてん 1・1

 

・校正室より

    録音室35Windows11にアップグレードしました。今後、他の部屋も順次Windows11にしますので不明なことはお尋ねください。

 
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